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ひきこもり:農作業で回復を 地域活性化と組み合わせ

 過疎高齢化が進む中山間地域の活性化と、ひきこもりからの回復支援を組み合わせた試みが、岡山県美作市で進んでいる。2012年に開いたシェアハウスに、ひきこもりから脱しようとする人が入居し、共同生活や農作業をするうちに、人と自然に話したり、何かに挑んだりするなどの変化が表れた。他にも似たケースがあり、地元若者グループは、支援NPO法人と連携して事業化。「地域おこしで人もおこそう」と取り組んでいる。

 グループは、同市梶並地区の民家でシェアハウスを運営する「山村エンタープライズ」。市が委嘱する「地域おこし協力隊」出身の藤井裕也代表(27)らが12年11月、地方に基盤を持たない人が移住しやすい環境を作ろうとシェアハウスを開いた。個室のほか、共有の居間や台所がある。狙いは若者の移住と過疎高齢化が進む地区の活性化の両立で、耕作放棄地での農作業アルバイト収入などで生活を支える仕組みだ。

 当初、ひきこもりの回復支援は想定していなかった。だが、2年間のひきこもり経験がある20歳代前半の男性が開設時に入居。農作業などで住民らと接するうちに会話が増え、気持ちが変化したという。1年後には演劇活動を始めた。

 その後、シェアハウスの様子がひきこもりの人の家族や支援者に口コミで広まり、別のひきこもり経験者らも入居。グループは今春、ひきこもり回復支援事業「人おこしプロジェクト」に発展させた。対象は、「未就労・未就学の状態から抜け出したい」と希望する15〜30歳の若者。週1回の日帰り体験や、長期入居などを想定する。共有スペースで他の住人と少しずつ関わりながら農作業アルバイトに出掛ける。

 シェアハウスの入居者8人のうち、ひきこもり経験者は現在3人。親類の紹介で、今年6月に千葉市から来た山本大貴(だいき)さん(21)は人付き合いが苦手だったが、先輩住民が無理に話しかけてくることはなく、自然に時間が経過した。数日後、山本さんが翌日の予定を尋ねた時に初めて、藤井代表が「こんな仕事情報もあるよ」と、畑の草刈りアルバイトを紹介。住民に草刈り機の動かし方などを教わりながら、農作業を始めた。

 今はシェアハウスに客が訪れると、お茶を出したり、子供に折り紙を教えたりと自ら動く場面が増えた。藤井代表は「変化が分かるのがうれしい」と話す。