【タバコって、一体何がそんなに悪いの?】その1:タバコが及ぼす影響とは?
◆そもそもどうしてタバコをやめられないのか?
「タバコの害」について正しく知る前に、まずは「なぜタバコをやめられない人がいるのか」についてお話ししましょう。
多くの人がタバコをやめられないのは、タバコに含まれている「ニコチン」という物質のせいです。
タバコを吸うとニコチンは肺から身体へと吸収されて静脈注射よりも早く脳に到達します。
そして脳の神経系に作用して、快楽物質である「ドーパミン」や「セロトニン」の分泌を高めるのです。
タバコを多く吸えば吸うほど脳の神経系統にはニコチンの受容体がたくさん作られてしまうので、人は少しのタバコではがまんできないようになります。そしてやがてタバコがやめられなくなってしまうというわけです。
慢性的なヘビースモーカーになると、脳の働きそのものがニコチンにコントロールされるようになります。ある意味「ニコチン中毒」といえるような状態になるのです。こうなってしまうと、タバコをやめるのは大変な苦痛が伴います。
◆タバコはがんの発症リスクを高めてしまう
でも、タバコはやっぱりやめなくてはなりません。タバコは身体にとってまさに「百害あって一利なし」だからです。
タバコが身体に悪いとされるいちばんの理由は、言うまでもなく「がん」。知っている人も多いかもしれませんが、タバコは多くのがんを引き起こす理由のひとつです。
発症との関係が最も指摘されているのは肺がんや咽頭がんといったような「直接煙が触れる部分」ですが、食道がんや胃がん、肝臓がんなど、「煙が直接触れない部分」でのがんの発症リスクも、喫煙によって高まるとされています。