コピーライティングまとめブログ

コピーライティング関係のことをまとめています

サークルKサンクス、「カイゼン」で接客笑顔に

熱々のからあげを買ったり公共料金を支払ったり、最近のコンビニエンスストアはカフェの代わりとしても利用できる。私たちの要望をとらえて便利になる半面、従業員の負担は増えている。なんとか作業効率を上げられないか――。サークルKサンクスが昨年取り入れたのがトヨタ自動車の「カイゼン」。徹底的に無駄を省き、従業員の笑顔をキーワードに気持ちよく働ける環境作りを目指す。

■テープで線引き、整頓の意識高まる

 東京・中央のサークルKサンクス本社1階。「サークルK晴海センタービル店」の社員用バックルームでは、なにやら見慣れない光景が広がっている。床にはびっしりと引かれた粘着テープの線、掃除道具置き場をのぞくと、不思議な形にかたどられたテープ線があちこちに貼られている。

 

揚げものの調理も増えている(愛知県小牧市)
画像の拡大

揚げものの調理も増えている(愛知県小牧市

 「この線からはみ出して物を置いてはいけないというのがルール。ゴミ箱やほうき、掃除用スプレーの位置まで、一目で物の定位置がわかるようになっている」。同店で働く高田拓は取り組み前との違いに驚く。日々入れ替わる従業員が毎日出入りするバックルームはどうしても散らかりがち。備品をどこに戻したかわからなくなることも多い。テープで線引きをすることで、ぞうきん1枚にしても、従業員がそろって定位置につるすようになった。「すっきりとして気持ち良い以上に、従業員が自主的に改善点を見つけようとするようになった」

 サークルK晴海センタービル店は、同社が2013年下期から始めた作業効率化の取り組み「カイゼン」の導入店舗だ。まず13年の9月に「改善部」が発足し、直営店で実験を始めた。14年下期からフランチャイズ(FC)店にも導入していく予定だ。

 そもそも「カイゼン」の取り組みはグループのスーパー、ユニーが05年にトヨタのグループ会社から人を招いて導入したのが始まり。13年にサークルKサンクスがユニーの完全子会社となりホールディングス化したのをきっかけに、コンビニ側にも取り入れた。

 「小売りの基本は売り場がしっかりとしていること。品ぞろえや接客で、顧客の期待を裏切らないためには従業員の負担を減らすことが必須だった」。カイゼン活動をとりまとめる経営戦略本部長執行役員、久賀谷亮は狙いを説明する。「クレームの約3分の2が接客に関わること。カイゼンで空いた時間を丁寧な接客などに回してこそ、顧客の満足につながる」。ユニーから部長を招き、カイゼンは動き出した。

 まず下期の目標に掲げたのは「スペースの創出」「時間の創出」など。在庫の商品を収納するなど、従業員の休憩スペースとなるバックルームの徹底的な「整理整頓」に取り組んだ。